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同じ病気の方に少しでも参考になればと思い、日記にしました。


by kakkotarou

○始めに・・・○



母が大動脈弁膜狭窄症と僧帽弁の手術をしました。


同じ病気を持つ方、近々身内が手術を控えてる方など

少しでも参考になればと思い、日記に残すことにしました。


医療に関しては 全く素人の私ですが

思ったこと、感じたこと、経験したことを ありのままに記しました。


☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆



母の病気がわかったのは 今年の始めの事。

去年 還暦を迎えた母。

40年間 ハードに働き続けてきた。

「少しのんびりしたら??」

という父の言葉で 仕事を去年いっぱいで退職しました。


今年になって時間もでき、何気なく受けた人間ドックで

心電図に異常がある事がわかりました。


お医者さんの勧めで精密検査へ。


近くの医大に行くと 「心臓弁膜症ですねぇ」と・・・。

原因は 子供の頃の高熱(リウマチ熱)だったり 

生まれつき弁膜に異常がある人もいるそうです。



「来週にでも手術しましょうか??心臓外科では盲腸の手術みたいなモンですよ」

サラリとお医者さんは言ったけれど 場所が「心臓」なだけに怖い。

いったん手術の話を保留にして 母は帰ってきました。



その後 やはり循環器を専門に扱う 大きな病院で見てもらいたいと思い

吹田にある 「国立循環器センター」へ。

紹介状が無かったので 初診料は高くつきましたが

命に関わる事。 

何箇所か病院をハシゴするのは 私はいい事だと思います。


医師の診断は 「検査入院で詳しく調べてから 手術を決めたい」との事でした。
# by kakkotarou | 2008-09-15 20:33

○検査入院○



検査入院は5月に行いました。

なんせ この病院は人気がある。

広島や北海道など 遠方から来てる人も多い。

入院の2,3日前に病院から電話があり 急遽決まったという感じ。

なかなかベッドに空きが出ないらしい。


九州に嫁いでる私は 検査入院の時は帰らない予定だった。

だが 検査の内容を聞いて急いで帰省する事に。


太ももの付け根の血管からバルーンを入れ、心臓部分まで持っていく。

バルーンを膨らませて 正確な血管の太さを測るらしい。

検査の間 1ミリも体を動かしてはいけない。

もし少しでも動かしたら 大量に出血し

即・処置室に走らなければいけない。


また 検査後6時間は 首から下を動かしてはいけない。

トイレにもいけないので 腹部に管を入れてもらう。


完全看護の病院でも 6時間は長い!

できれば家族が付き添い、水を飲ませてあげたり

話相手になってあげるのが良いと思った。

無理してでも帰省して良かった!
# by kakkotarou | 2008-09-15 20:28

○手術のこと○



手術に関して 私達家族が迷った部分もありました。

おそらく 何気ない健康診断で発覚した人は 

みんな同じ事を考えるのではと思います。



それは 何の痛みも症状もなく、毎日元気に暮らしてるのに

なぜ わざわざ高いリスクを背負って手術しなければならないのか・・・と。


母自身も 私達も思いました。


毎日元気に家事もこなし、食欲もあり

なんの痛みもない。

ほんの少し疲れやすいだけ。


それでもお医者さんは、

「あと2年しか持たない」 

という。



色々と調べてみて解った事は

①突然死の危険がある事

②胸痛などの症状が出始めると、急速に悪化する事

③場所が心臓だけに 少しでも若く体力がある内にした方が良い事



この手術の死亡率は5%

これは心臓手術の中では 極めて低い方だそうです。


それでも命がけの手術。


今から思うと 健康診断で見つかった事はラッキーだったのだ。

何も知らないまま 突然死される方なども 中にはいるだろう。


健康診断の大切さを 身に染みて感じました。
# by kakkotarou | 2008-09-15 20:19

○いよいよ手術○



再入院から5日後に 手術する事が決まった。


自営業の私は 実家に帰るタイミングを悩んでいたが

前日の夕方まで仕事をし、

最終の飛行機で帰ることになった。


手術当日は 朝7時半に家族が病室に集まるように・・・

との病院からの指示でした。

父と兄と私と 3人で病院へ。


病室の母は 既に前開きの浴衣のような服に着替えていた。

思った以上に元気で明るかった。

久しぶりに家族4人揃ったのが嬉しかったのかもしれない。



私は無意識に この母の笑顔をしっかり焼き付けておこう・・・

そんな風に考えてた。



8時50分。

車椅子を押した看護師さんが迎えにきた。

車椅子に乗った母に続き 私達も一緒に手術室のある3階へ。

自動ドアが開き 手術室の手前の小さな空間に母が連れて行かれる。

看護師さんに 

「この部屋までは ご家族も入れますのでどうぞ」

と言われ 私達3人も慌てて中に入る。


母は上靴を脱がされ スリッパに履き替えさせられ

頭にシャワーキャップの様な物をかぶせられた。


奥の手術室へと 車椅子の向きが変わると

母は下を向きながら 小さな声で 「じゃあ・・・」 と

私達に頭を下げながら顔をむけたが 目の周りが赤く、涙ぐんでいた。


きっと怖くて仕方なかったに違いない。


私はそんな母が かわいそうで仕方が無かった。


連れて行かれる母の後ろ姿は すごく小さく見えた。
# by kakkotarou | 2008-09-15 20:13

○手術中の事○



手術は9時ちょうどに始まった。

母を見送り手術室を出ると 

看護師さん(?)助手さん(?)よく解らないけど^^;

女性に 待機室へ案内された。

広い部屋をボードで仕切ってあって

部屋の真ん中に内線電話が置いてある。


手術中 何かあった時の為に

常に家族が待機していなければいけない。

手術が終わったら 内線に電話がかかってきて

電話を受けた家族が ICUへ向かうという手順。


私達は1番奥のブースに行き 

雑誌を読んだりして時間をつぶしてました。


ちなみにここの待機室は 携帯電話OK。

兄はパソコンと携帯を持ち込み 仕事をしてました。


その直後 続々と別の手術患者の家族が入ってきて

6つくらいあるブースが あっという間に満杯になった。


母の手術は8時間の予定。


私達の後ろのブースにいた若いカップル(夫婦?)

お菓子を買い込み 手を叩いて笑ったり

おしゃべりしながらボリボリ食べてる音が とにかくうるさかった。



始まって3時間ほど・・・・お昼の12時過ぎたあたりで

看護師さんが1人 

私達の後ろのうるさいカップルを呼びに入ってきた。

カップルは 「もう終わったん?予定より超早いじゃん!ラッキー!」

そう言って出て行った。



ところが・・・・


しばらくすると そのカップルが 

タオルを顔に当て 泣きながら戻ってきた。



その時に思った。

途中で呼ばれると言う事は ‘何かあった’という事。 


お守りをにぎりながら

どうか呼ばれませんように・・・

無事に手術が終わりますように・・・・


ひたすら祈り続けた。
# by kakkotarou | 2008-09-15 20:07